ヒメクロオトシブミが揺籃(幼虫の隠れ家と餌になります)を作っているところに出くわしました。
誰に教わるわけでもなく遺伝子に組み込まれたDNAがそうさせるのか?
わずか5㎜足らずの小さな虫のどこに、こんな知恵と力が隠されているのかいつも感動せずにはいられません。
オトシブミの種類によって切り込み方は違いますが、出来上がった形はどれも良く似ています。また、枝に残したままにするものと切り落としてしまうもの、右巻・左巻、同じ種類でも色々あるようです。

口と足を使って端から切込みを入れていきます。
中心まで行くと反対側の端から切込みを入れていきます。

真中まで来ると主脈の一部を残し齧(かじ)ります。
そして葉が萎れてくるのを待ちます。

葉の状態を見ているのでしょうか?

葉裏に回り、さらに萎れさせるために?主脈を所々齧っていきます。

齧った跡が分かりますか?

葉が萎れてきたら裏から足で葉を折っていきます。

位置をずらしてさらに折ります。
見ているこちらも思わず力が入ります。

折り目を付けたら葉の下の方から巻き始めます。

前(表)に回ったり…

後ろ(裏)に回ったり…

移動しながら…

巻いていきます。

だいぶ巻き上げました。

もう一息…

最後の折り目を…

返して…

完成です!

最後の点検

大丈夫かな…?

完了です。
観察を始めてここまで2時間半程かかりました。
巻く途中で、真ん中あたりを齧って穴を穿けて産卵します。
この方法で、数日かけて(たぶん)10個前後作っていきます。
小枝の先にたくさんぶら下がっている光景に出合うこともあります。
撮影機材 カメラ:ニコンD90 レンズ:DX AF‐Sマイクロニッコール85㎜ED